4月23日 第1回口頭弁論をふりかえって

 
4月23日、埼玉県南部に暮らすクルド人住民へのヘイト言動の差し止めを求める裁判の第1回口頭弁論が、さいたま地裁で開かれた。原告席には弁護士14人が並び、被告・渡辺賢一氏は代理人欠席で単独出廷。被告は原告への反訴状も提出したが、文面に誤記があり、陳述は次回に持ち越された。

この訴訟は、渡辺氏が行った日本クルド文化協会に対する街宣活動が、名誉毀損や人格権侵害に当たるとするもので、昨年の仮処分決定に続く本訴である。

真辺朋子裁判長は原告と被告の間に事実認識の相違があることを前提に審理を進めるとし、原告に対し、具体的な言動と発言者の特定を求めた。

原告の日本クルド文化協会は2013年、川口市に設立された一般社団法人。クルド文化を日本社会に紹介すると共に、在日クルド人の文化の継承を目的とする。彼らの多くはトルコ政府の同化政策や迫害を逃れて日本に移住してきた。被告は文化協会をトルコから分離独立を求めるPKK(クルド労働者党)の「自爆テロ」などと絡めてヘイトの対象にしている。

法廷では、原告代理人の神原元(はじめ)弁護士が「被告は在日コリアンへのヘイトを繰り返してきたが、現在はクルド人を標的にしている」と指摘。「平和的生存権に基づき、特に子どもたちを差別から守る判決を求めたい」と陳述した。
閉廷後の報告集会には支援者やクルド人当事者たち約7 0 人が参加し、会場を埋め尽くした。

来日1 5 年の男性は、娘の写真を無断撮影された経験を語り、「トルコ政府の影響を感じる」と述べた。別の男性は「子どもが『なぜクルド人はテロリストなの?』と聞いてくる。外に出すのも怖い」と語り、日常生活に影を落とす差別の深刻さが共有された。